★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ ◆◆◆ 2012.3.25 Vol.118 ◆漢◆ 人生に役立つ月刊名詩メルマガ/吟遊に乾杯! ◆詩◆ ♪ 漢詩鑑賞・漢詩朗読・漢詩吟詠を楽しみましょう♪ ◆◆◆ 詩仙李白、詩聖杜甫等の名詩が癒しと感動を与えてくれます ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 皆さん、お元気ですか? 吟遊詩人/井上洸霊です。 しとしとと降り続く春の雨。「春雨じゃ、濡れて行こう!」と言いたい ところですが、今年ばかりは放射能の雨かも・・・・。 しかしこの春の雨こそが万物にとっては命を息吹かせ潤してくれる何よ り大切な雨なのです。この雨によって春の草花たちが一斉に咲き競い、 生き物たちも冬の眠りから覚めて動き出します。いよいよですね。 そこで今月はそんな春雨を詠った杜甫の名詩「春夜喜雨」をお届けします。 春雨の季節、この名詩をじっくり鑑賞し、朗読し、吟じてみて下さい。 皆さんの益々のご健康とご多幸をお祈り致します。 <漢詩原文> 「春夜喜雨」 杜甫 好雨知時節 當春及發生 隨風潛入夜 潤物細無聲 野徑雲倶黒 江船火獨明 曉看紅濕處 花重錦官城 <読み下し文> 「春夜、雨を喜ぶ」 杜甫 好雨 時節を知り 春に当りて 及ち発生す 風に随いて 潜かに夜に入り 物を潤して 細かに声なし 野径 雲は倶に黒く 江船 火は独り明らかなり 暁に 紅の湿れる処を看れば 花は錦官城に重からん <日本語読み> 「しゅんや あめをよろこぶ」 とほ こうう じせつを しり はるに あたりて すなわち はっせいす かぜに したがいて ひそかに よにいり ものを うるおして こまやかに こえなし やけい くも ともに くろく こうせん ひは ひとり あきらかなり あかつきに くれないの しめるところを みれば はなは きんかんじょうに おもからん <語釈> 好雨:気の利いた雨、の意。 発生:ここでは雨が降り始めること。 野径:野の小道。 江船:長江を行き交う船。 錦管城:成都(現在の四川省の省都)の別名。盛唐時代、この地の産物で ある錦を保管管理する役所があったことから当時は錦管城とも云われた。 <通釈> 春雨というのは実に降るべき時節を心得ていて、春が来るや否や雨を降ら せる。それは風とともに秘かに夜にやって来て、音もなく、しとしとと 降っては万物を潤すのである。野の小路は雲と同じく黒々として暗く、 ただ長江を行き交う船の灯りだけが明々と見える。雨の一夜が明けて紅い 花が湿っているところを見ると、我が錦官城の花々もさぞやしっとり濡れ て重たいことだろう。 <鑑賞> 杜甫の「春夜喜雨」、いかがでしたか? 杜甫が成都にいた50歳頃の作です。 頃は今の季節、盛唐に降る春雨の情景がうまく描写されていますね。 北はまだ梅の花、南は早くも桜、いよいよいよいよ待ちに待った春です。 万物が息吹、輝く季節。どうぞ皆さんも心身ともにエンジョイして下さい。 では、次回にまた元気にお会いしましょう。 ■世界の漢詩ファンが集う人気サイト 人生に役立つ「ねっと吟遊会」 http://netginyukai.web.fc2.com/ **************************************************************** ★人生に役立つ月刊名詩メルマガ「吟遊に乾杯!」 ★ 発行周期: 月刊 編集発行元:吟遊詩人/井上洸霊 お問合せ先: kanshigin@mx6.ttcn.ne.jp ***************************************************************** ★この名詩メルマガをご友人知人にお勧め頂ければ嬉しく存じます 人生に役立つ月刊名詩メルマガ「吟遊に乾杯!」 このメ−ルマガジンは、下記のシステムを利用して配信しています。 「まぐまぐ」http://www.mag2.com/m/0000092482.html 「メルマ」 http://www.melma.com/backnumber_69303/ 「めろんぱん」 http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=006644 ****************************************************************** Copyright(C)2002〜吟遊詩人/井上洸霊ALL Rights Reserved. |